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【OGITAニュース vol.1】 滋賀県の最低賃金は時給1,080円!!最低賃金改定で求められるポイント
OGITAニュースいつもOGITAニュースをご覧いただきありがとうございます。
滋賀県東近江市の税理士法人 荻田会計事務所です。
皆様もご存じの通り、滋賀県では2025年10月5日より最低賃金が改定となります。従来の1,017円から1,080円へ引き上げられることが決定しており、企業として様々な問題に対処する必要が出てきました。
そこで今回は、最低賃金引き上げに伴い抑えておくべきポイントをまとめてみました。
滋賀県の最低賃金は時給1,080円へ!引き上げがもたらす影響とは?
最低賃金が上がると、労働者の所得や企業のコスト構造だけでなく、雇用のあり方・価格や生産性など広範囲に影響が生じます。(効果は業種や企業規模、地域経済の状況によって異なります)
【企業への影響】
・人件費の負担増、特に人件費比率の高い飲食・小売・介護・宿泊業などではその傾向が強い。
・サービスや商品の値上げを検討する必要がある。
・新規採用抑制や非正規雇用削減、業務の外注化が起きることがある。
・自動化・効率化を重視し、業務プロセス改善やIT投資で1人当たり生産性を上げる動きが強まる。
・ベテランと新人、正規と非正規の賃金差が小さくなり、人材管理や評価制度の見直しが必要になる。
中小企業や利益の確保が難しい業種にとって、最低賃金の引き上げは経営圧迫や雇用削減・採用抑制につながる恐れがあり、価格転嫁をすれば売上にブレーキがかかる可能性があります。
そのため、人手不足への対応をはじめ、業務の自動化や効率化を図りいかに生産性を高められるかがこれからの課題になると予想されます。
【労働者への影響】
・時給上昇で手取りが増え、消費が拡大しやすくなる。
・最低賃金ラインで働く人の生活水準が上がり、不満や離職のリスクを減らすことができる。
・所得が増える影響で扶養の範囲内で働く時間を改めて考える必要があり、労働時間短縮やシフト削減につながる。
こちらの記事でも取り扱った通り、2025年から年収の壁は大きく改善されました。
そのため、年末に向けて以前のような働き控えは起きづらくなっているものの、引き上げ後の時給で自分がどの程度働けるかは再度確認が必要です。
最低賃金引き上げで企業がすべきことは?
単に処理だけの問題でなく、あらゆる行動を企業は取る必要があります。
優先度順に確認することで漏れや抜けを防ぎましょう。
1.全従業員の給料の見直し
時給社員だけでなく月給者も手当を含めた1時間当たり賃金を算出し、最低賃金と照らし合わせてる必要があります。該当従業員の給与計算設定を事前に修正し、10月分給料分から正確に反映できるように備えておくことが重要です。
適用開始日が10月5日のため、締日によっては給料計算が複雑になる可能性があります。その場合は、10月分給料から一律で反映させると業務負担が軽く済むでしょう。
また、最低賃金を割り込んでいない場合でも、可能であれば賃上げの検討をおすすめします。最低賃金が上がるということは、入社歴や経験が浅い若手従業員も高い時給で働くことが可能になるため、中堅~ベテランの従業員との賃金差が縮まり、反発を招いた結果離職につながる可能性があります。
2.資金計画の見直し
雇用している従業員が多いほど、人件費は増加し、利益に影響が出ます。
年間で必要な人件費を改めて試算し増額分を適切に予算に反映することで、より現実的な利益予想が行えます。
利益が予想よりも落ち込むようであれば、費用全体の見直しや価格転嫁も検討する必要があります。
3.助成金・補助金の申請検討
上記のような費用の見直しや価格転嫁はもちろん大切ですが、一方で売上低下のリスクがあります。
厚生労働省や滋賀県などが賃上げを実施する企業に対して、様々な支援や補助金・助成金を公表していますので、自社が対象になるかは必ず確認しましょう。
効率化のために設備投資等を行っている場合は選択肢も更に広がります。
また、税務面では全雇用者の給与等支給額の増加額の最大35%を税額控除(中小企業は最大45%を税額控除) する賃上げ促進税制があります。
現状が赤字や繰越欠損金がある場合でも5年間繰越可能なので、こちらも併せて確認しましょう。
参考:中小企業庁HP
4.就業規則の改定
最低賃金引き上げで必ず必要になるわけではありませんが、下記に当てはまる場合は対応を検討しましょう。
改定が必要になる代表的なケース
・就業規則や賃金規程に具体的な賃金額(最低額や賃金テーブル)や改定ルールが明記されている場合。
・固定残業代(みなし残業)を導入しており、基礎賃金を引き上げると合計が最低賃金を下回る恐れがある場合。
・月給者・日給者の時給換算方法(所定労働時間で割る等)を明記しているが、運用を変更する場合。
・手当(通勤・家族手当等)を最低賃金の算定に含める/含めない扱いを明確にしていない場合。
・賃上げに伴い待遇格差・等級制度・昇給ルール・賞与基準などを変更する場合。
まとめ
最低賃金引き上げで様々な処理・対応が求められるようになりますが、どの企業であってもやるべきことに大差はありません。しかし、業種によって優先することは違います。
例えば、従業員数が多くパート比率が高い業種は、人件費試算・シフト最適化・助成金検討が急務となりますし、利幅が大きくないとされる小売・飲食・宿泊業ですと価格戦略・DX投資・外注化が強く求められます。
今後更に賃上げの流れは加速していくものと思われます。いざという時に迅速に対応できるよう、売上だけでなく人件費や設備投資・経営状況に目を光らせておきましょう。
「業務が忙しくて中々手が回らない」「自社の経営状況をきちんと把握しておきたい」などのお悩みは弊所へお気軽にご相談ください!
今月のOGITAニュースは以上です。
ようやく涼しくなってまいりました。寒暖差で体調崩されませんようご自愛ください。
今月の納税情報※主なもの
10/10(金)
【納付】
9月分 源泉所得税
9月分 住民税特別徴収額
10/31(金)
【申告・納付】
確定申告 … 8月決算法人
中間申告 … 2月決算法人
消費税中間申告 … 2月、5月、11月決算法人
(年3回納付のみ該当)
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